2月6日〜9日に行われたギフトショーに、桐箱を製作、販売している曙工芸様が出展された際、ポスター製作のお手伝いをさせて頂きました。
私もギフトショーに伺ったのですが、曙工芸様のブースは多くのお客様で賑わっており、最初はお声掛けさせて頂くことができませんでした。
それだけ多くの方に注目頂けたようで、お力になれたことが本当に嬉しかったです。
さて、今回の展示会で制作させて頂いたポスターですが、意外と作り方を知らない方がいらっしゃいます。
弊社はホームページ制作会社であり、グラフィックデザインは専門外ではありますが、WEBページとポスター制作には共通点があります。
それが「ベネフィット」です。
ベネフィットとは、「顧客がサービスや商品から得られる恩恵」を意味するマーケティング用語です。
つまり、ターゲットとなるお客様を明確にし、そのお客様が求めるものをポスターにすることが重要です。
今回製作させていただいた、桐箱販売、製造の会社、曙工芸さんを例にとって、ご説明させて頂きます。
1. ポスターの概要を知る
展示会用の企業ポスター製作ですが、まず、概要がないと、どんなポスターにしていいのかわかりません。
例えば、今回の場合、ポスターは2枚必要でした。
しかし、ポスターの場合、貼る場所で内容が大きく変わってきます。
この画像の説明だけを見てください。↓↓
これだけもらうと、ポスターのサイズはA0で作ればいいんだろうな?
と感じますよね。でも実際にポスターを貼った場所はここです。
↓↓↓
もう、テキストは上部、もしくは両サイドへの配置が必須です。
しかも小さなテキストはほぼ読めません。
ポスターの概要、特に貼る場所をちゃんと知らないと、本当に意味のないポスターになるので気をつけておきたいですね。
2. 目的とターゲットを明確にする
ポスターやチラシなどの一番難しいところが、目標とターゲットを明確にするだと思います。
この作業をしないと、ベネフィットが生まれませんので、とても大変です。
今回の仕事も目標とターゲットがなければ、「職人の技」とか「丸形乳歯ケース」などのコピーになっていたと思います。
今回はブースの都合上、「丸形乳歯ケースのアピール」が一番の目標となっていました。そしてもうひとつのアピールは「海外展開したい人へのブランディング斡旋」です。
展示会では海外展開したいと考えいている人が沢山いるんですよね。桐箱を外箱に使う事で、高級感を出したり、日本っぽさをアピールしたりすることができます。
この2つの目標があったので、ターゲットは
「丸形乳歯ケースのアピール」→「乳歯ケースに興味がある人」
「海外展開したい人へのブランディング斡旋」→「海外展開したいけどブランディングに困っている人」
となりました。
ターゲット像を明確に考える人もいる思いますが、ここはBtoBの商談スペースなので、年齢や性別は特に気にしていません。
3. 懸念点を考える
ポスターを作る時に、場所やターゲットを決めた上で、懸念点を考えなければなりません。
ここは、ポスター作りの大きなポイントです!
これを考えないと、出来上がった時に、魅力が半減してしまうのです。
例えば、今回の場合を例で考えると、「写真だけで乳歯ケースとわかるだろうか?」「同業他社と差別化できるか?」などがありました。
桐箱を作っている会社は、全国にあります。
同業他社と同じことをアピールしてもしかたないんですよね。
5. ベネフィットのあるキャッチコピーを考える
写真とコピーどちらが先か?という話がありますが、個人的には、写真が後のほうが良いと思います。
先に写真をとると、その写真のイメージでコピーを考えてしまうからです。
実は、弊社も、今回のポスターを考える時、先に写真を撮っていました。でも、それだとうまくいかなかったので、後で撮り直したんですよね。
この失敗があったので、撮影はコピーの後をオススメします。
さて、最後は、ベネフィットのあるキャッチコピーを考えるます。
これは、とーっても骨の折れる作業です。
考えるのが難しくて、途中、ミーティングメンバーが「社名や商品名」で良くないですか?
とか言い出したりもありました。でもそれは私からすると「書いてないのと同じ」です。
人間の目は、写真と文字、どちらを見ているかというと、「文字」を見ているんです。
「文字」情報があって、ポスターは成立するんですよね。
今回は、いろいろ議論した結果
1枚目は、「乳歯ケース」だと文字で理解してもらうため、「そうです、これです!乳歯ケース」
2枚目は、世界に発送している実績がある、ブランディングに利用して欲しい。ということから「桐箱に入れて世界へ」というコピーに決まりました。
もっと良いキャッチコピーはいくらでもあると思いますが、キャッチコピーの正解は、ポスター製作ミーティングに参加している全員が納得する文字です。
↑
ミーティングの時に使ったペーパー
6. 写真と文字をデザイン
実は、これまで書いて来た内容の仕事は、ディレクター(アートディレクター、クリエイティブディレクター)の仕事です。
デザイナーでここまでできる人がいたら立派です。
•ディレクターがポスターの構成を考える
•カメラマンがポスターの写真を撮る
•デザイナーがポスターのデザインを考える
が役割となります。チラシやポスターの製作って、専門職がかかわればかかわるほど料金がかかります。
デザイナーさんに頼むと、たぶん、適当に考えた良さそうなコピーとかで、こんな感じで送られてくると思います。
↓↓↓↓↓↓↓↓
↑私が叩きで出したものです。
良さそうに見えますが、完成したもののほうが、ターゲットの心を掴んでくれると思います。
こちらは1枚につき、2パータンのデザインの中から選択してもらいました。
展示会のポスターデザインは、とにかく遠くから見えやすいもの(細字より太字)。インパクトを少しでも与えられるものがオススメです。
とにかくディレクションが大切
ポスター制作は、意外と時間がかかるものです。
一見簡単そうに見えますが、今回の内容でも、
- ミーティング3回
- メンバーでのLINEでのやり取り複数回
- 撮影2回
- デザインの修正を重ね
1ヶ月ほどかかる作業を2週間で仕上げました。
ポスター制作で重要なのは、全体をまとめる「ディレクション」です。
ディレクションがしっかりしていないと、
- 社長の意見で内容が固まってしまう
- 何となく良さそうなコピーで終わってしまう
といった問題が発生します。
しかし、ターゲットや伝えたいメッセージを明確にすることで、
- ポスターのデザイン
- 展示会での説明
など、全体がより効果的なものになります。
弊社では、ポスター制作のご依頼も承っております。(ディレクションのみもOK)
費用は、
- ディレクション:1枚5万円(税抜)
- デザイン:1枚5万円(税抜)※写真は相談
- A0ポスターの印刷費用 :オンデマンド印刷 1枚 4000円〜
です。複数枚の場合は割引もございますので、お気軽にご相談ください。